インクリメンタルゲームとは
インクリメンタルゲーム(incremental game)は、数値が増え続けることそのものを遊びの中心に据えたゲームです。日本語では「クリッカー」「放置ゲーム」と呼ばれることも多く、それぞれ指す範囲が少しずつ違います。
基本の構造は共通しています。
- 手動で何かをして、資源を得る
- 資源で生産設備を買い、自動で資源が増えるようにする
- 増えた資源でより大きな設備を買う
- 数字の桁が変わる
このループの繰り返しで、最初は 1 秒に 1 個だったものが、やがて 1 秒に 1 兆個になります。桁が上がっていく感覚そのものが報酬になっている、というのがこのジャンルの特異な点です。
放置ゲームとの違い
言葉として重なりますが、指しているものが違います。
- インクリメンタル — 数字が伸び続ける「構造」を指す
- 放置(idle) — 操作しなくても進む「挙動」を指す
多くの作品は両方の性質を持ちますが、必ずしも一致しません。クリックが中心で放置要素の薄いインクリメンタルもあれば、数字の伸びより育成や合成が主役の放置ゲームもあります。
日本語圏では「放置ゲーム」の方が定着していて、インクリメンタルゲームという語で検索する人はまだ少数です。ただし、海外の同ジャンルを追う場合はこちらの語の方が通じます。
プレステージ(転生)という仕組み
このジャンルを長時間もたせている中核が プレステージ です。
一定まで伸ばしたところで、それまでの進行をリセットする代わりに、永続的なボーナスを得る仕組みです。作品によって「転生」「昇天」「輪廻」などと呼ばれます。
リセットするので数字はゼロに戻りますが、ボーナスのぶん次はもっと速く伸びます。同じ道を、より短い時間で駆け上がる。これを繰り返すことで、単調になりがちな構造に「区切り」と「達成感」が生まれます。
Cookie Clicker にも Legacy という名前でこの仕組みがあります。江戸オンライン の「禅業」は、禅を組んで悟りを開くと基礎戦力が積み重なる仕組みで、公式は「レベル上限のない世界」と説明しています。名前は違っても、伸ばし続けられる設計という点では同じ発想です。
何が面白いのか
初めて触る人には「数字が増えるだけで何が楽しいのか」と見えます。実際、遊びの中身は数字の管理です。
面白さの正体は、最適化のパズルにあります。限られた資源をどの設備に振るか、いつプレステージするか、どのボーナスから取るか。選択の良し悪しが伸びの速さに直結するので、慣れるほど「効率よく回す」ことに意識が向きます。
逆に言えば、その最適化に興味が持てなければ、数日で飽きます。合うかどうかは実際に触るのが早く、Cookie Clicker なら登録もインストールも要らないので 5 分で判断できます。
日本語で遊べる作品
方舟のホムンクルス は約400体のホムンクルスを合成しながら伸ばしていく放置 RPG で、インクリメンタル的な構造を持ちつつ収集要素が主役です。純粋なインクリメンタルを試したいなら、まず Cookie Clicker の日本語表示で構造を掴むのが分かりやすい順序です。