カードを使って山登り!?【PCゲームレビュー】ヤマふだ!にごうめ

ヤマふだ!にごうめ は一言でいうとこんなゲーム

登山をテーマとした、デッキ構築型カードゲームです。

「デッキ構築型」とは、ゲームの中で必要なカードを手に入れてデッキを作り、ステージを攻略するタイプの作品です。ボードゲームでは『ドミニオン』と同じような仕組みで、さまざまな作品で採用されています。

ビデオゲームでは、『Slay the Spire』(『StS』)とほとんど同じシステムと考えて構いません。

ヤマふだ!にごうめ のゲーム概要

基本情報

タイトル: ヤマふだ!にごうめ

開発元:KPC online

リリース日:2021年9月25日

ジャンル:ローグライク、デッキ構築、登山

プラットフォーム:Windows PC

値段:1,320円(STEAM版)

公式サイト:https://store.steampowered.com/app/1727520/_/

STEAMより

カードを使って、登山をするゲームです。カードは1合毎に選びます。途中でギアを作ると、より快適に登れます。沢山のヤマを楽しもう!

https://store.steampowered.com/app/1727520/_/

ヤマふだ!にごうめ のゲームの流れ

登る山を選ぼう!

まずはマップから登る山を選びます。山にはそれぞれ標高と起こりうる天候が設定されています。難易度が上がるほど標高は高くなり、さまざまな悪天候に見舞われることになります。

これらの情報はデッキ構築に不可欠ですので、しっかりと頭に入れておきましょう。本物の登山と同じく、準備が大切ですね。

特に天候と休憩地点の位置はしっかり覚えておこう

カードを使って山登り!

山には精霊のようなものがおり、主人公の行く手を塞ぎます(特に説明がないので正体はよく分かりませんが、一応精霊と呼んでおきます)。精霊の体力と山の標高は連動しており、精霊の体力をゼロにすると山を一合ぶん登ったことになります。

また、山には「けわしさ」という値が設定されています。この数字に応じて主人公は体力を消費します。

ゲームではカードを使って山を登っていきます。さまざまな種類のカードがありますが、基本となるカードには「のぼる」と「まもる」という2つの値が設定されています。

「のぼる」は何メートル登れるのかを、「まもる」は「けわしさ」による体力消費をどのくらい抑えられるか、を表しています。

「のぼる」の値だけ山を登り、「まもる」−「けわしさ」の値だけ体力を消費する、というシステムですね。文字で書くと少しわかりにくいのですが、要するに体力がゼロになる前に、すべての精霊の体力をゼロにして(山を登りきって)しまえばOKということです。

精霊の前に書いてある数字が山の「けわしさ」。これを見ながらカードを選ぼう

一合登るごとに、新しいカードがランダムに選ばれます。この中から1枚だけデッキに追加できます。これが作品の根幹となるデッキ構築システム。自分で決めた方針に合ったカードを手に入れるのがよいでしょう。

貴重なカード追加の機会

休憩ポイントでギア作り!

山にはいくつかの休憩ポイントがあります。ここでは、登山中に集めた「こいし」を使って、「ギア」というお役立ちアイテムを作れます。

「ギア」とは登山道具のこと。もちろん本物のギアは石では作れません

「ギア」は体力消費を抑えたり、登る量を増やしたりと、山登りを楽にしてくれるアイテムです。デッキ構成に合った「ギア」を手に入れることが攻略への近道です。

ちなみに「ギア」は一回の休憩につき3個まで作れますが、作る個数が2個以下の場合は体力を回復できます。体力とも相談して、「ギア」をいくつ作るのかを考えましょう。

登頂!

けわしい山を乗り越え、頂上に到達するとステージクリアです。登頂までのプレイに応じて「おもいで」という経験値が得られ、レベルが上がるごとに新しいギアやカードを使えるようになっていきます。

山によってイラストが違うのも楽しい!

ヤマふだ!にごうめ のおすすめのポイント/面白いポイント

嫌にならないくらいの絶妙な難易度

デッキ構築システムの妙は同系統の 『Slay the Spire』 と同じですが、ギア( 『Slay the Spire』 でいうレリック)やカードが、 『Slay the Spire』 よりも入手しやすくなっています。これによって、自分でデッキを組み立てる楽しさはそのままに、全体の難易度を下げることに成功しています。

また、本作のステージクリアにかかる時間は長くても20分程度。登頂に失敗してもそれまでの経験値は「おもいで」に反映されますので、ギアやカードを開放して再挑戦も可能です。

再チャレンジが気軽にできる本作。『Slay the Spire』がちょっと難しいと思われた方も、ぜひこちらをお試しください。

無理だと思ったら引き返すのは実際の登山も同じ

登山というテーマと意外に相性がよいゲームシステム

ところで、テーマとなっている登山とゲームシステムがうまくマッチしていることにも触れておきたいと思います。

登山の基本は疲れないペースを維持して歩くこと。歩きはじめの30分は意識的にペースを落として歩くのがよいとされています。

本作ではこれが体力管理に直結します。特に序盤、まだカードや装備が揃っていないときは、山のけわしさに負けることもしばしば。そんな時は無理せず「まもる」値の高いカードを使い、体力を温存していきます。

一気に登っていくデッキでももちろんクリアできるのですが、丁寧に体力管理をしていくほうが安定します。コツコツ登るのは山も『ヤマふだ』も同じ。自分が山に挑んでいるような感覚が味わえる作品で、登山好きにもおすすめしたい一作です。

ジグザグ歩行は実際の山登りでも使われる、疲れないための必須スキル

ヤマふだ!にごうめ の イマイチなポイント

サーチ(山札から手札に加える)とサルベージ(捨札から手札に加える)用のカードがありますが、カードを選択すると「けわしさ」などの情報が背景に隠れて見えにくくなってしまいます。選択後でも情報を確認できるとさらによかったですね。

また、 『Slay the Spire』 と比べてカード選択以外のランダム要素(ステージの選択やイベントなど)がほとんどなくなりました。そのぶん、似たようなデッキパターンになってしまうのが残念なところです。とはいえカードの引きは毎回異なりますので、毎回最善手を考えてゲームを進めることには代わりありません。

まとめ

国内の山を全て制覇するとエンディングになりますが、その後のやり込み要素も充実しています。 『Slay the Spire』 の猛者プレイヤーは、ぜひチャレンジしてみてください。

管理人

ほかローグライク系のゲームはこちらでも紹介していますので、興味があればご覧ください。